良い理学療法士と良くない理学療法士の差~忖度無しで当事者に本音を聴いてみた~

理学療法士
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先日、脳卒中当事者の方々と意見交換する機会に恵まれました

理学療法士として働き続けて18年、様々な研修会に参加して来ましたが、当事者やご家族のリアルな声を聴く機会ってほとんどないんですよね

『イヤイヤ、臨床の中でリアルな声を聴いてるでしょ』と思われるかもしれませんが、残念ながら担当している患者さんやご家族から100%本音を引き出す事は患者さんと療法士という関係性上、極めて難しいと考えています

こういった機会も100%本音ではないかもしれませんが、少なくともいい意味で関係性がないからこそ、忖度無しで医療介護従事者に対する声が聴けると私は考えています

今回、脳卒中当事者が考える良い理学療法士と良くない理学療法士の差について聴かせて頂く中で、リハビリテーションに通ずる話もあったので、まとめておきたいと思います

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脳卒中当事者が考える良い理学療法士と良くない理学療法士の差

前提として、あくまでも1人の当事者の声である事はご理解下さい

脳卒中当事者が考える良い理学療法士・作業療法士とは

『否定から入るのではなく、どうやったら出来る様になるのか考えてくれる人』

脳卒中当事者が考える良くない理学療法士・作業療法士とは

『否定ばかりの人。出来ないから、危ないからダメと決めつけて来る人』

今回は対象者を理学療法士と作業療法士にしていますが、おそらくどの職種であっても同じ事が言えるのではないでしょうか?

今回話をお聴きした当事者のAさんは27歳で原因不明の脳梗塞で倒れ、13年間機能回復訓練を受け続けておられる方です

その中で無数の療法士と接しているだけに説得力を感じました

脳梗塞に倒れた時に結婚式を控えていたAさんは『ヒールを履きたい』という希望があったそうです

27歳の結婚式を控えた女性として、ある意味当たり前の感覚ですよね

転倒リスクがある為に『危ないんじゃないか』という声がある中で関わってくれた療法士が同僚達にもアドバイスを求めながら、必死にハイヒールを履ける方法を考えてくれた事が純粋に嬉しかったそうです

結果的に、結婚式ではハイヒールは履けなかったそうですが、後日イベントで7cmのヒールを履いて歩く事が出来たそうです

その時の記事は↓

『麻痺になってから初めて高ヒ-ルを履きました』
皆様こんばんは脳卒中カフェのちぃです ご無沙汰してしまい申し訳ありません 私達がスタッフとして携わっている11月11日に行われた脳卒中フェスティバルが無事に終…

結婚式に履けなかったから残念という話ではなく『ハイヒールを履きたい』というAさんにとっては大切なリハビリテーションに向き合ってくれたという感覚がAさんにとっては嬉しかったのではないでしょうか?

Aさんとは今までにも色々とやり取りさせて頂いているのですが、記憶に残っているのは冬に『ムートンブーツを履きたい』と主治医にお願いし、困らせた事があると言ってました

ただ1人の女性として『オシャレしたい』というのは当たり前の感覚だと私は思います

病に倒れたから色んな事を諦めるのではなく、病を抱えた状態でどうやったら出来るのか?

ここをチームで考えるのがリハビリテーションであり、Aさんの願望はワガママでも障害受容が出来てないという事でもないと私は思います

リハビリテーションとは何かを理学療法士として考えてみたブログは↓

ここまで読んで頂く中で、否定しない事が良い的な感じに受け取られている方もいるかもしれませんが、リハビリテーションのプロとして『出来る事』と『出来ない事』の線引きはとても大切だと考えています

私自身が理学療法士として心掛けている事は『出来る限りの手は打ってから諦めよう』という事

『主治医が無理と言っているので。。。』では何の為に我々がいるのかがわからなくなってしまいます

最大限出来る対策はやってみて、やっぱり難しい時はしっかりと説明した上で『出来ません』と伝えるのも療法士の仕事ではないでしょうか?

当事者として嬉しかった声掛け

当事者の方々と意見交換する中で『どういった声掛けをされた時に嬉しかったですか?』という質問が出ました

当時者のBさんは発症後落ち込み、何もする気が起きず、ただ涙を流す日々が続いていたそうです

『このままではダメだ』と奮い立ったBさんは元々好きだったパン作りをしようと考え、当時の状態で作る事が出来そうなパンを焼かれました

そんな時に訪問リハビリでやって来た作業療法士がパンを見て

『凄い!!次お伺いする人もパンが好きな人なんで写真撮って見せても良いですか?』

と声掛けをしたそうです

当時の作業療法士が何を考え、こういった声掛けをしたのかはわかりませんが、その言葉にBさんはとても勇気づけられたそうです

Bさんがどういった部分に感動されたのかまではお聞き出来ませんでしたが、患者さんに限らず、人として『誰かの役に立てる』という感覚はとても重要なのではないでしょうか?

今まで当たり前の様に出来ていた事が出来なくなる喪失感は私達には計り知れませんが、こういった率直な声掛け1つが当事者の方達の力になる可能性があるという事は頭の片隅に置いておきたいと感じた瞬間でした

機能回復ではなく、環境調整によるリハビリテーションについて具体例を含めてまとめたブログは↓

まとめ

今回は良い理学療法士と良くない理学療法士の差を含め、忖度無しで当事者に色々と聴いてみた事をまとめてみました

当たり前の事ですが、当事者の事は当事者にしかわかりません

療法士の事は療法士にしかわかりません

お互いの溝を埋めるには率直な意見をぶつけあうしかないのではないでしょうか?

どれだけ意見交換しても100%理解しあう事は不可能ですが、少しでも両者が歩み寄れる様な機会を今後も作っていきたいなと考えています

最後に当事者と医療介護従事者の意見交換を現役の学生達に聴いてもらえた事は本当に大きな価値があるのではないでしょうか?

当事者や学生達に恥ずかしくない仕事、関わりが出来る様に、今回学ばせて頂いた事を胸にリハビリテーションを支援し続けていきたいですね

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