リハビリテーションとは何かを理学療法士が考えてみた

理学療法士
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『リハビリ』という言葉を皆さんも1度は聞かれた事があるのではないでしょうか?

同時にリハビリという言葉を聞くとどの様なイメージをされますでしょうか?

『リハビリ』=『専門職が行う機能回復訓練』をイメージする人が多いのではないでしょうか?

脳梗塞になった方が専門職と一緒にストレッチをしたり、運動したりしている場面をTV等で見られた事がある人も多いかもしれませんね

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リハビリテーションとは?

『リハビリ』=『機能回復訓練』も狭い意味では間違いではないのですが、今回は広い意味でのリハビリについて改めてまとめておきたいと思います

正確には『リハビリ』ではなく『リハビリテーション』という言葉になります

英語のつづりは『Rehabilitation』そして『Re』と『habilitate』の2つに分ける事が出来ます

Reは『再び』habilitate(habilitation)はラテン語の『habilis』に由来で『適した』という意味

つまり、単なる機能回復ではなく『人間らしく生きる権利の回復』や『自分らしく生きる事』がポイントで、その為に行われる全ての活動が広い意味での『リハビリテーション』という事になります

今回は多くの人がイメージしやすい医療機関等で行われる『医学的リハビリテーション』が中心の内容になりますが、障害を抱えた方が職場復帰する為に職業指導や訓練を受けたりする事もリハビリテーションであり、依存症(麻薬や性)から離脱する為の指導や訓練もリハビリテーションに当たります

私自身も17年間理学療法士として『リハビリテーション』を支援する仕事をしているのですが、今回の記事を通じて知って頂きたい事は1つだけです

『リハビリテーション』=『機能回復訓練』だけではないという事

最初にも少し書きましたが、このイメージが世間一般に定着してしまっています

一般の方はそれでも良いとして、医療介護従事者、更に突っ込むのであれば、リハビリテーション専門職と言われている『理学療法士』『作業療法士』『言語聴覚士』でさえ、リハビリテーションの意味をはき違えている人が多い印象です

脱線してしまうので、話を元に戻しますが、多くの人に覚えておいて頂きたい事があります

機能回復訓練は1つのツールでしかない

『専門職が行う機能回復訓練はリハビリテーションを実現する為の1つのツール(方法)でしかない』という事です

例えば、脳梗塞を例に考えてみましょう

脳梗塞には様々な症状がありますが、1番イメージが湧きやすいのが麻痺ではないでしょうか?

脳梗塞になり、一部の脳細胞が機能しなくなる事で思う様に手足が動かなくなり(麻痺)、立ち上がりにくくなったり、歩行時のふらつきが大きくなったりする事があります

そういった症状や悩み事に対して、専門職が機能回復訓練を行うのですが、残念ながら100%症状が軽減するとは限りません

それは決して脳梗塞に限った話ではなく、高齢者に多い骨折や肺炎後であっても100%の状態には戻らない事の方が多いんです

では機能回復訓練で100%元に戻らない患者さんの『自分の家で家族と一緒に過ごしたい』というリハビリテーションは実現出来ないのでしょうか?

決してそんな事はありません

例えば、何とか歩ける様にはなったけど、1人では自宅での入浴は難しい場合

介護保険を活用して、通所系サービス(デイサービスやデイケア)を利用すれば、介護福祉士のサポートを受けながら、安心して入浴する事が出来ます

通所に行きたくないのであれば、訪問看護や介護を活用して、看護師、介護福祉士の助言、サポートを受けながら自宅で入浴する事が出来るかもしれません

それでも不安が大きい場合は、ご自宅に専用の浴槽を持って来てもらって、看護師と介護福祉士等、数名のサポートを受けながら 入浴する訪問介護入浴という方法もあります

では支持する物がないと1人で歩けない場合は自宅復帰は難しいのでしょうか?

患者さん自身を取り巻く環境によって、状況は異なっては来ますが、私は必ずしもそうとは言い切れないと考えています

支持物があれば動けるのであれば、住宅改修で必要な部分に手すりをつける事も出来れば、天井からレンタルで突っ張り棒を付ける事で手すりを再現する事も出来ます

タンスや食器棚の位置を変える事でそこを伝いながら歩ける人もいれば、邪魔にならないのであれば、家の中に平行棒を置く(レンタル出来ます)という方法だってあります

ご家族の介護力(家族をサポートしようとする想い)が期待出来るのであれば、家族指導を行う事で1人で歩けなくても車椅子で生活出来る可能性だってありますし、例え1人暮らしであっても車椅子が自操(自分で自由に動かせる)出来て、動き回れる広さと安全に動作が出来る環境を整備出来れば、歩けなくても自宅で生活する事は可能だと私は考えています

理学療法士として伝えておきたい2つの事

1つは『自宅に戻る事で機能回復が進む事がある』という事

住み慣れた家に帰る事で急に元気になる人は結構いるんですよね

病院と違い活動量が必然的に向上する事も多く、結果として入院時より機能が回復する事もあります

ご家族の受け入れが良好で、安全に動ける環境整備と適切な介護サービスを提案出来るのであれば、100%元の状態に戻っていなくても自宅に帰ってもらうというのも1つの手ではないかと私自身は考えています

もう1つはリハビリテーションという言葉の意味を考える上で『選択肢を大切にして欲しい』という事

『その人らしい生活を支援する事』をリハビリテーションとするならば、自分で選択するという事は非常に大切ではないかと考えています

理学療法士としてトータルの活動量を考えるのであれば、デイケアに行って入浴して欲しい

でも本人はデイケアには行きたくない(訪問介護入浴)という想いが強い

その場合は理学療法士としてデイケアに行くメリットを丁寧に説明した上で、選択肢が訪問介護入浴なのであれば、それはそれで良いと考えています

その人らしい生活を支援する為にもいくつかの選択肢を提示出来る理学療法士でありたいですね

まとめ

今回は、理学療法士として今一度『リハビリテーション』という言葉に対する考えをまとめてみました

一般の方に知ってもらいたいという想いも当然ながらありますが、とにもかくにもまずはリハビリテーション専門職として紹介される事の多い、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士達が『リハビリテーション』という言葉の意味を再考するキッカケになれば嬉しいですね

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