高齢者が食欲不振で食べれない時の考え方~ファストフードやお菓子も気にせず食べよう~

理学療法士
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高齢者の食の基本は『1にエネルギー、2にたんぱく』

これを合言葉に、毎食美味しく、しっかり食べる事が大切です。

いくら頑張る気持ちはあっても、いくら効率的な運動負荷をかけても、エネルギーがなければ元気になるのは困難です。

非常に当たり前かつシンプルな事ですが、意外と多くの医療介護従事者の頭の中から抜け落ちている部分でもあるので注意が必要です。

また、病気を複数抱えている高齢者は、思いの外消費エネルギーが増えている事も多く、食べられるのであれば少し食べ過ぎるくらいで良いという事を少し前のブログでは紹介させて頂きました↓

入院患者さんの中には単純に病院食が口にあわない人もいれば、疾患から来る食欲不振で食べられない人もいます。

今回は様々な理由から食べられない患者さんに対して『高エネルギー&高たんぱく質』を基準に考えたオススメのメニューを紹介してみたいと思います。

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食べられるのならファストフードでもOK

例えば、マクドナルドのダブルチーズバーガーは1個で457kcal、たんぱく質は26.5gも摂れます。

ここにマックフライポテトM(410kcal、たんぱく質5.3g)とコーラM(140kcal)をつければ1000kcal程度になります

吉野家の牛丼の並盛りに生卵をつけると760kcal、たんぱく質も28g摂れます。

ちなみに同じ牛丼チェーンすき家の1番人気3種のチーズ牛丼は並盛で911kcal、たんぱく質は34.3gも摂れます。

ケンタッキーフライドチキンのオリジナルチキンは1個で237kcal、たんぱく質16.5g。

2個食べれば、それだけで約500kcalですし、ナゲット5ピースを追加すれば222kcal、たんぱく質も13.3g上乗せ出来ます

餃子の王将のこってりラーメン1杯が597kcalでたんぱく質18g

餃子を1皿(6個)追加すると346kcalでたんぱく質12.8g上乗せ出来るので、こってりラーメンと餃子を食べれば、エネルギーもたんぱく質も充分ですね

食べないよりはお菓子でも食べよう

例えば、きのこの山は1箱でエネルギーは423kcal、たんぱく質6.3g摂れます。

人気投票ではたけのこの里に後れをとっていますが、エネルギーとたんぱく質量においてはきのこの山が優勢です。

明治のアーモンドチョコレートはエネルギー500kcal、たんぱく質10.3g。

少々現実的ではありませんが、不二家のカントリーマアムバニラ&ココア味24枚入りはエネルギー1200kcal、たんぱく質は12g摂れるそうです。

飲み込みやすいという面から考えるのであれば、明治のスーパーカップ超バニラはエネルギー374kcal、たんぱく質5.6g摂取出来ます。

高齢者は3食しっかりたんぱく質を摂取しよう

長生きしているしている高齢者は、肉や魚等の動物性たんぱく質をたくさん食べているという調査結果があります。

高齢者に必要なのはエネルギーとたんぱく質だという事は理解して頂けたかと思いますが、実際にどの程度のたんぱく質を摂取すれば良いのでしょうか?

それには『筋たんぱく合成率』の事をお伝えしなくてはなりません。

筋たんぱく合成率とは『どれぐらいのたんぱく質を摂ると、新しい筋肉がつくられるか』を%で示したものです。

たんぱく質を摂取すると、筋肉を合成するスイッチが入ります。

しかし、このスイッチの感度は年齢を重ねる毎に衰えていきます。

つまり、高齢者の場合、筋肉を合成する為には1度に多くのたんぱく質を摂取する必要があります。

たんぱく質の摂取量と筋たんぱく質の合成率を調べた研究によると、若者では体重1kgあたり0.24gのたんぱく質で筋肉の合成率が最大になりましたが、高齢者では0.4g必要でした。

筋肉を守る為には、体重が50kgなら1食あたり20g、1日あたり60gはたんぱく質が必要という事になります。

重要なのは『1食あたり』という部分。

筋肉を守る為には、食事の度に筋合成を刺激し続ける必要があります。

その為にも朝と昼は軽めで夜はしっかりではなく、3食しっかり食べて欲しいということなのです。

では具体的にどの様な食品を摂取すれば良いのでしょうか?

たんぱく質を効率的に摂取する為にも、アミノ酸スコアを参考にしてみてはいかがでしょうか?

アミノ酸スコアとは、食べ物に含まれる『たんぱく質』の量と『必須アミノ酸』がバランス良く含まれているかを数字で表したものですが、肉や魚と同じくアミノ酸スコアが100なのが『卵』と『牛乳』

3食の中に意識的に卵や牛乳を利用した料理を入れ込んでいくのも良いのかもしれませんね。

まとめ

今回は高齢者が食欲不振で食べれない時の考え方について深掘りしてみました。

個人的には思う様に箸が進まない病院食を出し続けて低栄養になるよりは、多少偏りはあっても好きな物を食べて栄養が摂れる方が良いのではないかと考えています。

ちなみに体調不良の時によく出て来るおかゆではエネルギーが不足している可能性が高いです。

おかゆを食べるのがやっとという場合は致し方ありませんが、もし食べられるのであれば『食欲がない、体調が悪い→おかゆ』という発想ではなく『食欲がない、体調が悪い→チョコレートやアイスクリーム』という発想をしてみて欲しいですね。

しつこい様ですが、高齢者の食の基本は『1にエネルギー、2にたんぱく』

高齢者の食の好みにあわせて、ファストフードやお菓子も有効活用しながら高齢者を元気にしていきたいものですね

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