コミュニケーション能力が高い=話が面白いという錯覚~聞き上手こそ話し上手~

コミュニケーション
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あなたは『コミュニケーション能力が高いと感じる芸能人は誰ですか?』と質問されたら何と答えますか?

私は間違いなく『明石家さんまさん』と答えると思います

『確かに話は面白いよね』と感じた人はいませんか?

さんまさんの話は確かに面白いですが、勘違いして欲しくないのは

必ずしもコミュニケーション能力が高い=話が面白いという事ではありません

補足させて頂くならば、面白おかしく話せる事も非常に魅力的な能力のですが、そういった能力よりももっと大切なのが『話を聴く能力』ではないでしょうか?

今回は、コミュニケーション能力を高める為に必要な『話を聴く能力』を深掘りしてみたいと思います

以前に書いたコミュニケーション能力に関する記事は↓

人は自分の事を話すのが大好き

1つ質問をさせて下さい

  1. あなたの好きな話を誰かに聴いてもらっている時
  2. 誰かの話を徹底的にあなたが聴いている時

あなたはどちらが楽しい時間を過ごせますか?

2の場合、自分が話を聴きたくて仕方がない人の話を聴いているのであれば楽しめる(というよりは学べる)かもしれませんが、そうではない限り、基本的には多くの人が1の方が楽しい時間を過ごせるのではないでしょうか?

実はハーバード大学の調査によって

『自分の事を話す時、それが会話であろうと、ソーシャルメディア上であろうと、人はお金や食べ物、性交渉と同じ様な快楽を感じる』

事がわかっているそうです

約200人の脳をMRI(機能的磁気共鳴画像診断装置)で調べた所、被験者が自分の事を話している時、脳内の側坐核、更に腹側被蓋野と呼ばれる領域の動きが活発化するのが確認されました

これらの領域は神経伝達物質、ドーパミン放出に関係があるとされる箇所で、ドーパミンは快楽物質とも呼ばれ、食事や性交渉、お金等によって分泌されるものです

この調査からも自分自身が面白おかしく話せなくても、相手に話をしてもらうだけで相手は勝手に楽しい気分になってくれるという事がわかります

飲みニケーションについて心理学的に深掘りしてみた記事は↓

多くの人は自分が話していて楽しいと感じる人と会話をしたいと思うので、結果的に相手から見て話をしていて楽しい人が『聞き上手』という評価に繋がるのではないでしょうか?

更に心理学的な捉え方をすると、話を聴いてもらえた事で気分が良くなった相手はあなたに好意(いい人だ的な)を感じる可能性があります

その結果、好意の返報性が働き、何か困った時等にあなたを助けてくれる様になり、人間関係が深まる事にも繋がります

話を聴く事で不安が軽減する

そして医療介護従事者にとっては、より大切な部分かもしれませんが、話を聴く事が相手の不安を軽減する事もわかっています

実は不安というのは、脳の『扁桃体』という部分と関連しており

『扁桃体の興奮』=『不安』

という図式が成り立つそうです

精神的に疲れてしまった方々は、ストレスに長期にわたってさらされた為に『扁桃体の興奮』のスイッチが持続的にオンになって戻らなくなってしまった状態だと考えられています

逆に言うと、扁桃体の興奮を鎮める事が出来れば不安を減らせるという事になります

脳機能イメージングを使った研究によると、言語情報が脳内に入ってくると、扁桃体の興奮が抑制され、それに伴いネガティブな感情は収まり、気分も改善され、決断能力が高まる事が観察されました

子供が怪我をした時に『痛いの痛いの飛んでいけ~』とおまじないをかけると実際に痛みが軽減するのは、暗示効果もあるでしょうが『言語情報の流入による不安の除去』の結果でもあるのです

 つまり『情報』は人の不安を和らげてくれるのです

脳への言語情報の流入というのは『話す』『聞く』『読む』等、様々なパターンがあるとは思いますが、とりわけ人と話す事で

『多くの言語情報が流入』→『扁桃体の興奮抑制』→『気分が落ち着いてくる』

という事が起きているのではないでしょうか?

理学療法士という仕事は痛みや何らかの疾患を抱え、不安を抱えている人を対象に仕事をする事が多いです

理学療法士は話を聴く事が仕事ではありませんが、メンタル面の支援も私達の大切な仕事ではないでしょうか?

話を聴く事で対象者のメンタルが落ち着いて来るのであれば、それを使わない手はないと私は考えます

話を聴く事に運動療法を組み合わせる事で慢性的に痛みを抱える人にも、より効果を発揮する可能性もあります↓

理学療法士に限らず、医療介護従事者は知識・技術の習得だけでなく、もっと『話を聴く』事に意識を向けてみても良いのかもしれませんね

まとめ

今回は『コミュニケーション能力が高い=話が面白いという事ではない』という事と『話し上手は聞き上手』という事を紹介させて頂きました

『踊る!さんま御殿』を見る機会があれば、明石家さんまさんがどの様に話を展開させているか注目してみて下さい

さんまさんが一方通行で面白おかしく話しているのではなく、ゲストの話を上手く引き出しながら笑いに変えているのが理解出来ると思います

相手の話をしっかり聴く事が出来れば、相手が勝手に楽しんでくれるだけでなく、いざという時に助けてくれる存在になったり、不安な気持ちを軽減出来る可能性もある

コミュニケーション能力に不安がある、口下手で上手く人と話せる自信がない

そんな人こそまずは『話を聴く事』からはじめてみてはいかがでしょうか?

最後に『何から話せばいいのかわからない』という人の為に1つコツをお伝えするのであれば、考え方を

『何を話そう』ではなく『何を聞こう(質問しよう)』

に切り替えてみると良いかもしれませんよ

何を話そうは自分が主体の考え方ですが、何を聞こうは相手主体の考え方になるからですね

自分が話すのではなく、相手に話してもらう為にどういった質問をすれば良いのか今一度考えてみて下さいね

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