Twitterで興味深いツイートを見かけました
このツイートだけではここに至るまでの細かい背景がわかりませんが、この機会に
『理学療法士として働く上で男女差はあるのか?』
という事について考えてみたいと思います
理学療法士として働く上での男女差
私自身は理学療法士として働く上で『大きな男女差はない』と考えています
ただし、男性理学療法士・女性理学療法士である事のメリットとデメリットはあると思いますので、少し掘り下げてみたいと思います
ここに関しては実習生が来た時によく伝えている部分でもあります
男性理学療法士・女性理学療法士のメリット
男性理学療法士のメリット
- 見た目
- いざという時に腕力がある
女性理学療法士のメリット
- 男女関係なく排泄動作や入浴動作を確認出来る
- 老若男女問わず対応出来る、女性ならではの悩みにも寄り添える
- 家事動作を含め、きめ細やかな環境設定が出来る
違った視点から考えるならば、男性理学療法士のメリットが女性理学療法士のデメリットであり、女性理学療法士のメリットが男性理学療法士のデメリットでもある可能性が考えられます
それでは順番に掘り下げてみましょう
見た目
見た目的には男性理学療法士の方が得をしている部分があるかもしれません
見た目を含む第一印象に関する心理学に関しては↓
今の世代の高齢者達は男尊女卑が根強い時代に生きて来た方々なので、特に男性高齢者に関しては
『こんな小娘に何が出来るんだ』
といった感じで女性理学療法士を捉えている可能性も考えられます
逆に男性に対して高齢者達は好意的に捉えている可能性もあります
それ程人生の先輩達(男性)は頼りがいがあったのかもしれません
今の時代はそんな男性は絶滅危惧種で圧倒的に女性の方が強。。。
おっと、誰かが来た様だ。。。
男性を好意的に捉える、違う言い方をするならば男性というだけで安心感や信頼感を持っている可能性がある
その信頼感の有無がツイートの様な反応(男性は大丈夫なのに女性の時はダメ)を引き起こしているのかもしれません
もちろん療法士としての技術や相手との関係性にもよる部分もあるので、あくまでも可能性の話ですが。。。
信頼されているという事は『プラシーボ効果』が効率的に働く事に繋がります
要するに思い込みが生じやすくなるという事ですね
TVで著名人が『〇〇を飲んだら膝の痛みが治まりました』的な事を言っているCMを見た事があると思います
正直医療介護従事者であれば、口から飲んだものが膝関節の軟骨にだけ作用する事なんてないと理解出来ると思いますが、一般の方は『あの人が言ってるんだから』と盲目的に信じて飲む事になります
結果、本来効く可能性の極めて低い商品であっても思い込み(プラシーボ効果)が働いて、膝痛が軽減したりする訳です
いわゆる肩書き(大学教授や著者等)でも同様の事は起こり得ます
プラシーボ効果の逆をノーシーボ効果と言い、信頼感がないとかえって悪くなる事もあります
女性は見た目だけで損している可能性があるという事は頭の片隅に置いといて欲しい事ですね
いざという時に腕力がある
いざという時がないにこした事はないのですが、どうしても患者さんを転倒させてしまいそうな時もあるかもしれません
そんな時に腕力で踏み留まれるのは男性理学療法士のメリットかもしれません
もちろん患者さんの体型にもよるのですが、理学療法士としてしっかりと評価出来ていれば、どちらに転倒しやすいかはある程度予測出来るはずなので、男性と比較して腕力の弱い女性理学療法士であっても転倒は未然に防げるとは思います
男女関係なく排泄動作や入浴動作を確認出来る
ここからは女性理学療法士のメリットですが、
排泄動作や入浴動作を男女関係なく自分の目で確認出来る事は大きなメリットだと考えています
自宅復帰に大きく影響する要因の1つが排泄動作であり、1番人としての尊厳に関わる部分が排泄動作であると考えています
いくら高齢女性がOKしたとしても、いくら入浴介助に男性介護職が入っていたとしても、私は女性の排泄動作を自分の目で確認する事はしていません(看介護スタッフに着目点を伝えた上で確認してもらっています)
気を使い過ぎではと感じられる人もいるかもしれませんが、個人的には大切にしている部分でもあります
こういった葛藤も女性理学療法士であれば、限りなく0に近づきます
男性高齢者は女性高齢者に対して異性に見られる事に抵抗が少ない様に感じるからです
排泄動作や入浴動作は転倒のリスクがある難しい動作でもあり、聞くのと実際に見るのとでは差がある事が多いです
見たいと思った時にすぐ動けるのは女性理学療法士ならではのメリットではないでしょうか?
老若男女問わず対応出来る、女性ならではの悩みにも寄り添える
先程までの内容に近い部分ではありますが、若い世代の女性にも何の不安もなく対応出来る事、女性ならではの悩みに寄り添えるのも女性理学療法士ならではのメリットではないでしょうか?
例えば、呼吸を介助する為に胸郭(胸周辺)を触りたい時、大腿にある内側の筋肉やお尻の筋肉を触りたい時、男性理学療法士はかなり気を使います(というか胸郭はかなり厳しい)
セクハラと捉えられる可能性が0ではないからです
女性理学療法士であれば何の問題もなく積極的にアプローチする事が出来るでしょう
胸部の術後の傷の確認等も同様の事が言えるのかもしれませんね
女性ならではの悩み、具体的にはPMS(月経前症候群)や生理痛、産前産後の悩み等に寄り添えるのも体感出来る女性理学療法士ならではのメリットではないでしょうか?
ウイメンズヘルス分野が活発になって来ているのも女性理学療法士が増えて来た結果なのかもしれませんね
家事動作を含め、きめ細やかな環境設定が出来る
段々と男性の家事参加率が増えて来ているとはいえ、まだまだ家事全般を女性が担っている事も多いのではないでしょうか?
だからこそ、そういった経験を活かした環境調整(家事の効率化や負担軽減)が出来るのも女性理学療法士ならではのメリットではないでしょうか?
高齢になればなるほど、身体機能の改善は少しずつ難しくなって来ます
現状の能力に適した環境調整を出来る事は今後益々理学療法士に求められる能力ではないかと私は考えています
環境調整に関する記事は↓
まとめ
今回は女性理学療法士・男性理学療法士のメリットとデメリットについて考えてみました
最初にも書かせて頂きましたが、理学療法士として働く上で男性であっても、女性であっても大きな差はないと私は思います
ただ心理学的な面から考えても第一印象が良くないと、取り戻すにはかなりの時間を要してしまう可能性がありますので、女性理学療法士は第一印象をどう印象付けるかは意識しておいた方が良いのかもしれません
男性理学療法士も女性理学療法士もお互いのメリットとデメリットを理解して、患者さんや利用者さんの為に上手く連携していきたいものですね
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