臨床実習に対して『不安』『怖い』『ツライ』『行きたくない』といった印象を持っている学生さんは一定数いるのではないでしょうか?
私は学生時代に臨床実習に不合格になった経験があります
だからこそ不安を感じる学生達の気持ちを少しは理解出来るつもりです
理学療法士として働く中で、実習に対して不安を抱える学生達と数多く関わって来ましたが、一貫して伝えて来た事は『コミュニケーション能力が大切』という事です
今後、理学療法士として働いていく上でコミュニケーション能力が大切という側面もありますが、学生達がより良い臨床実習を過ごす為にもコミュニケーション能力が重要になって来ると私は考えています
療法士を目指す学生達が臨床実習に不安を抱く理由
コミュニケーション能力が何故必要なのかの前に、そもそも療法士を目指す学生達が臨床実習に不安や恐怖心を抱く理由は何なのでしょうか?
様々な理由はあると思いますが、1番は大野裁判という形で臨床実習の闇の部分が公に出たからではないでしょうか?
大野裁判に関しては↓
臨床実習の中で実習生が精神的に追い込まれ、自殺したというニュースは当時、新聞だけでなく国会にも取り上げられました
正直、自殺という形ではないだけで、臨床実習でのストレスに耐えきれず、自ら療法士になるのを諦めた人も全国には数多くいるのではないでしょうか?
臨床実習の闇の部分が大野裁判という形で明るみに出て以降、理不尽な臨床教育者(指導者)は減っていると思います
協会としても臨床実習指導者講習会を開催する事で、臨床教育者の質を高めると同時に理不尽な教育者を出来る限り排除しようと動かれています
それでも全国の療法士を目指す学生達の不安が完全に消える事はないでしょう
不安を抱える学生達の素朴な疑問
『臨床実習に向けて何かしておいた方が良い事はありますか?』
学生達からこういった質問をされる事が多かったのですが、この質問に対する私の回答が
『コミュニケーション能力を高める』なのです
コミュニケーション能力を高める為にはポイントを押さえて場数を積む事が必要です
よって、出来るだけ早い段階で療法士としてだけでなく、臨床実習に向けてもコミュニケーションの重要性に気付いてもらう事、心理学的な見地も含めたコミュニケーションのポイントを伝え、実践してもらう事が重要なのではないでしょうか?
臨床実習から戻って来た学生達を対象にした調査で約半数の実習生(学生)は『人間関係』によるストレスを感じているというデータがあります
一方で、クリニカルクラークシップ(診療参加型臨床実習)での実習が推奨され、睡眠時間減少問題はかなり緩和された可能性があります
私を含む、多くの学生達を悩ませて来た睡眠時間減少問題がある程度解決した今、学生達がコミュニケーション能力と心理学の知識を上手く活用出来れば、人間関係によるストレスは減らせる可能性があると私は考えています
学生達が自殺しないで済む方法は他にありますか?
こういった事を一貫して発信し続けていると
『しょうもない事を書くな』
『臨床教育者(指導者)のご機嫌を伺う様な事を教えるな』
とよく言われるのですが、逆に言わせて下さい
『他に学生が自殺しないで済む方法があるなら教えて下さい』
協会が取り組まれている様に、臨床教育者が変わるのがベストなのは私だって理解しています
私が学生に伝えている事は対症療法かもしれません
私が学生に伝えている事は小手先のテクニックかもしれません
学生がコミュニケーションや心理学を学んだからといって、臨床実習の現状は何も変わらないでしょう
バカな私だってそれくらいは理解しています
ただ全国の学生達は現在進行形で苦しんでいるんです
臨床教育者が変わるのを待っている時間はないんです
同じ療法士を目指す後輩達が臨床実習で思い悩み自殺する
もうそんなニュースは聞きたくない
その為に学生達に伝えられる事は伝えたい
ただそれだけの事です
コミュニケーションを学ぶ事は臨床実習以外の部分でも役立つ
そして私はこうも思うんです
コミュニケーションと心理学を学ぶ事は臨床実習を終えた後も学生の力になってくれる
療法士という仕事にコミュニケーション能力は必須なのだから
療法士という仕事を離れても、コミュニケーションがない生活はないのだから
人は1人では生きていけないのだから
そして、学生達もいずれは臨床教育者側の立場になる可能性があります
その時にもコミュニケーションと心理学の知識は役立つ事でしょう
その知識が結果として未来の学生達の『人間関係』のストレスを減らす事にも繋がるかもしれない
『私も将来臨床教育者をする事になったら同じ様な関わり方をしたい』
そんな教育者と学生の関係性が増えたら必然的に自殺する学生は減ると思いませんか?
少なくとも私の学生時代には心理学はありましたが、コミュニケーション論や人間関係論といったカリキュラム(教育課程)はありませんでした
多くの養成校でこういったカリキュラムが組み込まれて来ているという事実こそが今の時代の学生達に求められている事であり、 より良い臨床実習を送る為のポイント(鍵)なのではないでしょうか?
まとめ
今回は臨床実習に不安や恐怖心を抱えている学生達に今だからこそ伝えられる事をまとめてみました
正直、何が正解かだなんて誰にもわかりませんが、私はこれからもコミュニケーションと心理学を学んでいくつもりです
そして学んだ事を出来るだけわかりやすい形にしてアウトプットしていきます
理学療法士として患者さんや利用者さんに活用出来る様に
臨床教育者として実習指導に役立つ様に
『人間関係』に悩む学生達が少しでも解決の糸口を見つけられる様に
コミュニケーションと心理学を通じて患者さん、利用者さん、ご家族さん、療法士(臨床教育者)、学生、全ての人の笑顔が増えれば嬉しいですね
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