リハビリテーションという概念を考える~機能回復訓練だと思い込んでいませんか?~

理学療法士
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リハビリテーション=機能回復訓練ではない。

リハビリテーション=理学療法・作業療法・言語聴覚療法ではない。

リハビリテーション=リハビリテーション専門職が実施する事でもない。

『え?そうなの?』と思った医療介護従事者が結構いるのではないでしょうか?

それどころか『え?どういう事?』と思っているリハ専門職も結構いるのではないでしょうか?

本来のリハビリテーションという言葉(概念)の意味を理解出来ている人は『リハビリテーション専門職』という表現にも違和感を感じている事でしょう。

リハビリテーション専門職という言葉が生み出す先入観についてまとめたブログは↓

リハビリテーションという言葉を正しく理解する事が出来れば、リハビリテーションはチーム医療、チームアプローチが大切と言われている意味が理解出来ると思います。

今回はいくつかのツイートを紹介しながらリハビリテーションという概念について改めて考えてみましょう。

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リハビリテーションとはその人らしい生活を支援する事

リハビリテーションとは『全人間的復権』と表現されたりもしますが、わかりやすく噛み砕くならば『その人らしい生活を支援する事』だと理学療法士としては捉えています。

機能回復訓練はその人らしい生活を支援する為の1つのツールではあるのですが、例え機能回復しなくてもリハビリテーションは支援出来るという事は多くの人に知っておいて欲しい事ですね。

機能回復しなくてもリハビリテーションは支援出来るという事をまとめたブログは↓

リハビリテーションについて具体的に考えてみよう

今回Twitterのアンケート機能を活用して、↓で紹介する様な関わり(実体験含む)はリハビリテーションなのかを質問してみました。

食事摂取が進まない末期癌患者さんの希望を叶える為の環境調整。

私はリハビリテーションだと考えています。

限られた時間を少しでもその人らしく生きて欲しい。

苦しさに向き合う中でほんの少しでも楽しい時間を過ごして欲しい。

ただそれだけですね。

来年見る事が出来ない桜を末期癌患者さんと一緒に見に行く。

私はリハビリテーションだと考えています。

20分という限られた時間の中で病室での端坐位か満開の桜を見ながらの車椅子座位かを考えた時に私であれば後者を選びたい。

同時にこちらの一方通行ではなく、患者さんの希望であった事も付け加えておきます。

亡くなる当日、末期癌の影響で錯乱状態の利用者さんの訪問。

利用者さんのACPでもあり、強い希望であった事も踏まえるとリハビリテーションだと考えています。

ただ傍にいて手を握るだけの10分間。

コストが取れないにも関わらず送り出してくれた会社に感謝ですね。

末期癌患者さんの最後になるかもしれない自宅復帰。

残された最後の欲である『美味しい物を食べたい』を支えたい。

私はリハビリテーションだと考えています。

療法士の意見に真摯に耳を傾けて下さった医師に感謝ですね。

人生の最終段階に関わる理学療法士に必要なのは理学療法ではなく、リハビリテーションではないかという事をまとめたブログは↓

電動ベッドのリモコンを患者さん自身で操作してもらう為の環境調整。

私はリハビリテーションだと考えています。

患者さんはもちろん大満足でしたが、結果的にナースコールが激減し、看介護にとってもプラスに働きました。

安心して自宅復帰してもらうための環境調整。

紹介するツイートの中では1番微妙な結果になっていますが、私はリハビリテーションだと考えています。

売店で大人買いしたパンは3種類でどれも賞味期限が長かったのが幸いでした。

男性を中心に食事の準備に頭を抱える事も多いです。

出前、宅配弁当、ヘルパー利用含め、色々な食支援の方法を提案出来る療法士でありたいものです。

病院食が口にあわず、日に日に痩せていく患者さんの早期の退院支援。

私はリハビリテーションだと考えています。

必ずしも病院で元気にする必要はなく、自宅で元気になってもらうという選択肢もあるという事は忘れずにいたいですね。

孫の結婚式に参加する為の環境調整。

私はリハビリテーションだと考えています。

最終的には現地参加になりましたが、オンライン参加も含め、あらゆる可能性を想定、模索出来る療法士でありたいですね。

結婚式参加に至るまでの一連の流れについてまとめたブログは ↓

リハビリテーションに正解はない。そして職種も関係ない

アンケート結果だけ見ると、紹介した取り組みは全てリハビリテーションだと捉える事も出来ますが、正直正解はありません。

それは療法士の仕事じゃないという人もいると思いますし、逆に考えるならば、療法士じゃなくても出来る関わりだと思います。

まずもって大切な事は療法士を含む医療介護従事者がリハビリテーションとは何なのかを理解する事。

その人らしい生活を支援する為の全ての職種(ご家族も含め)の関わりはリハビリテーションなんですよね。

まとめ

今回は多くの人が勘違いしている『リハビリテーション』という概念をツイートを紹介しながら考え直してみました。

少なくとも1人の看護学生さんはリハビリテーション=機能回復訓練という思い込みに気付く事が出来た様です。

このブログが『リハビリテーション』という言葉の意味を再考するキッカケになってくれれば、それ程嬉しい事はありません。

全国の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士と療法士を目指している学生達に今一度伝えたい。

療法士の仕事は理学療法・作業療法・言語聴覚療法を提供する事ではなくリハビリテーションですよ

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