様々な職種と理学療法士の連携についてブログを書いて来ましたが、最後に福祉用具専門相談員との連携について考えてみたいと思います
形式上、福祉用具専門相談員と書きましたが、福祉用具プランナーでも福祉用具事業所で働く福祉用具に関して詳しい人であれば、資格名は問わないのですが、個人的に退院前訪問にお伺いする時には必ずと言っていい程、福祉用具専門相談員には同席して頂きます
理学療法士はリハビリテーションを支援するのが仕事ですが、効率的かつより良いリハビリテーションを実現する為の1つの大きなツールが福祉用具だと考えています
理学療法士として福祉用具専門相談員には非常に助けられて来ましたので、改めて連携について深掘りしてみたいと思います
理学療法士と福祉用具専門相談員の連携
自宅復帰を支援している理学療法士として、退院前訪問は非常に大切な仕事だと考えています
1回の訪問で出来る限りの環境設定(福祉用具の調整含め)をしてしまいたい
そう考えると、必然的に理学療法士1人で頭を捻るよりも、在宅支援に関わる多職種で考えた方がより良い案が出て来そうですよね
例えば、身体機能に関しては理学療法士が得意分野かもしれませんが、介護保険や介護サービスの事についてはケアマネジャー(正確に文字にするとマネージャーではなくマネジャーだそうです)の方が詳しい事が多いですよね
ケアマネと理学療法士の連携に関しては↓
そうなると、当然ながら福祉用具の事や住宅改修については福祉用具専門相談員の方が詳しい可能性が高い訳です
退院前訪問において、基本的には現時点での身体機能を把握出来ている理学療法士が中心になって、家屋評価をしていく訳ですが、私自身は『(理学療法士としては)こう考えているのですが、どう思われますか?』と必ず自分自身の意見だけで決めずに、福祉用具専門相談員にも意見を仰ぐ様にしています
それは何故か?
自らの判断に自信がない訳ではなく(過信もダメ)純粋に福祉用具に関する知識が豊富だという事と様々な家を見て来た経験値が活きて来るからです
例えば、個人的には、動線を作る為にH型の突っ張り棒を活用する事が多かったのですが、レンタル料金も安く、不要になった時に取り外せるのが大きなメリット
一方で、住宅自体が古いと天井の強度が弱く、突っ張れない事もあります
福祉用具専門相談員がいれば、そういった判断をその場でして頂けるので非常に有難かったですね
生活期においては、理学療法士の技術よりも(他職種含む)経験値や閃きがモノをいう事が多いんです
患者さんの在宅復帰を支援するチームとして、全員でよりベストな対応を考える
ある意味当たり前の対応であり、そこに職種や肩書き、年齢なんて関係ないですよね
管理栄養士と理学療法士の連携に関しては↓
事業所と上手く連携しよう
連携とは直接関係ないかもしれませんが、ある程度融通をきいてくれる事業所の存在はとても有難かったですね
例えば、シャワーチェアの様な1度使用すると汚れてしまう可能性がある商品は基本的にはレンタル出来ません
でも事業所によってはデモ用として一時的に貸し出してくれる場合もあるんです
他人が使っていたという条件はついてしまいますが、患者さん自身やご家族に抵抗がなければデモ品でお試し出来る事は非常に有意義ではないでしょうか?
そういった事業所と上手く連携出来れば(癒着ではない)患者ファーストの対応に繋がるのかもしれませんね
医師や看介護と理学療法士の連携に関しては↓
退院前訪問だけでなく、退院後の生活の確認も大切
最後に退院前訪問に関して、医療介護従事者にお伝えしたい事
多職種で頭を捻って思いつく限りの環境調整を行った
とても大切な事なのですが、もう1つ忘れられがちですが、実践して欲しい事があります
それは『自宅復帰後の生活の確認』
いわゆる環境調整が効果的に行えたのか再確認してもらいたいのです
退院後訪問は加算が発生しない為、自分の目で確かめに行っている理学療法士は全国的にも少ないのではないでしょうか?
でも、自分が考えて実施した環境調整が上手くいっているのかを確認しないと単なる自己満足になってしまいます
オンラインでもいい、ケアマネやご家族に電話して確認してみてもいい
確認出来る方法はいくつでもあると私は思います
結果的に上手くいかなかったとしても、次の家屋評価に活かす事が大切ではないでしょうか?
歯科衛生士と理学療法士の連携に関しては↓
まとめ
今回は、理学療法士と福祉用具専門相談員の連携について考えてみました
福祉用具は患者さんのリハビリテーションを実現する為の1つの大きなツールである事は間違いありません
その福祉用具をより効率的に活用する為に福祉用具専門相談員と連携する事は非常に大きな効果を発揮するのではないでしょうか?
栄養の事は管理栄養士、介護サービスの事はケアマネ、入れ歯の事は歯科衛生士、福祉用具の事は福祉用具専門相談員にお任せではなく、職種による専門性や得意分野は大切にしながら、より良い答えを導き出せる様に他職種とのディスカッションを楽しめる、そんな理学療法士でありたいものですね
コメント