理学療法士として18年働いて来た中で、様々な勉強会や学会に参加して来ました
コロナ渦になってからはオンラインで参加出来る研修が増えたので、今まで参加して来なかったテーマのウェビナーにも参加する様に心掛けています
今回は今までに参加して来た医師が講師の研修の中で個人的に興味深い、そして仲間達に情報共有した際にも非常に反応が良かった講師を紹介させて頂きます
あくまでも私個人の価値観ではありますが、1度騙されたと思って動画を見るか研修に参加してみて下さい
今回私がオススメする講師は
- 『自立支援介護』森剛士先生
- 『リハビリテーション栄養』吉村芳弘先生
- 『在宅医療』佐々木淳先生
自立支援介護について
株式会社ポラリス代表取締役森剛士先生
全ての医療介護従事者に見てもらいたい動画です
特にリハビリテーション専門職と括られる事の多い、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士と介護という仕事に面白さややりがいを感じられない人に介護職の方に見て頂きたいですね
その理由はこの動画で見てとれる変化にリハ職はほぼ絡んでいないという事
そして介護職の力だけでこれだけの変化を出しているという事です
違う表現をするのであれば、私を含むリハ職の皆さん、これだけの変化を出せていますか?
介護職の皆さんにとっては、自分達の仕事の可能性を改めて感じる事が出来るのではないでしょうか?
動画(ビフォーアフター)の多い講演なので、医療介護従事者ではない、一般の方でも明らかな変化を見てとる事が出来ると思います
何故、要介護高齢者であってもここまでの変化が出せるのでしょうか?
それは以前にもブログとしてまとめさせて頂きましたが『廃用』(使わない事に機能が低下する事)に着目しているのも1つの理由ではないかと考えています
例えば脳梗塞発症から10年目の利用者がいたとします
正直脳由来(脳が関与している)の麻痺が改善する事は極めて難しいでしょう
でも忘れてはならないポイントは脳梗塞を発症して以降、元気だった時と比較すると活動量は低下しているんですよね
ふらつくから外に出るのが億劫になる
家族からこけたら困るからじっとしといてとくぎを刺される
そういった小さな小さな積み重ねが『廃用』を作ります
使わない事で機能が低下する事が廃用なのであれば、使えばいい
簡単な様で極めて難しい事をPウォークとパワーリハといった機器を用いながら、私が知る限り日本で1番介護保険からの卒業を実践している自立支援特化型通所介護ですね
全ての職場でポラリスの様な設備を整えるのは到底無理な話だという事は理解しています
大切なのは医師にサジを投げられた人がここまで回復しているという事実を知る事ではないでしょうか?
対象者の限界を決めているのは私達医療介護従事者なのかもしれませんよ
リハビリテーション栄養について
熊本リハビリテーション病院サルコペニア・低栄養研究センター長 吉村芳弘先生
てのての医療介護従事者に聴いてもらいたい講師の1人です
そして私がリハ栄養に興味を持つキッカケになった医師でもあります
吉村先生の動画ではないのですが、吉村先生とも繋がりの深い方々が出ておられるリハ栄養に関する企画動画を貼らせて頂きますね
私自身、吉村先生の講演を聴き、理学療法士であれば誰もが1度は向き合うであろう、筋力増強、筋力低下について考え直す機会を頂いた結果、このブログでもリハ栄養や低栄養に関する記事を何本か書かせて頂きました
リハ栄養に関しては↓
低栄養に関しては↓
恥ずかしながら、講演を聴くまで、栄養に関して『一切』『一切』(強調)興味がありませんでした
業務の中で管理栄養士と話した事すらありませんでしたし、栄養補助食品の名前すら知りませんでした。。。
私と同じ、栄養に関して見向きもしていない療法士に伝えたい
効率的な機能回復には栄養という土台が必要です
効率的にリハビリテーションを実現する為には栄養という土台が必要なんです
具体的に筋力増強について考えてみましょう
仮に筋力増強に必要な適切な負荷設定が出来ていたとしましょう
栄養という土台がなければ、筋力は増強するどころか低下します
車で例えるならば、ガソリンがない状態でアクセルを踏み込んでいる様なものなんです
栄養に関しては管理栄養士にお任せではなく、理学療法士として入院してからの体重の増減や食事摂取量のチェック、食事を摂取出来ていればOKではなく、必要エネルギー量はどの程度なのかを把握しておく事も必要です
身体機能が改善して来た結果、日々の活動量が向上して来たり、プログラム内容がよりハードなものになって来たのであれば、管理栄養士と連携し、摂取エネルギーを増やす提案も必要です
年齢的な事もあり、食事摂取量を増やす事が難しそうであれば、栄養補助食品の利用も提案出来るでしょう
味気ない、見た目が良くない病院食にどうしても箸がすすまない高齢者もやっぱりいます
理学療法士として食べる事の重要性を伝える事も必要、管理栄養士と相談して食べやすい環境設定をする事も必要
それでも食がすすまず痩せていく現状があるのであれば、1日も早く自宅に帰って好きな物を食べてもらえる環境を整備した方が良いという視点にも気付く事が出来ました
好きな物が食べられる事で摂取エネルギー量が増える→自宅に帰った事で結果的に活動量も増える→体重が増えるだけでなく、下肢筋力も戻って来る事で生活が安定する
この場合、理学療法士として必要なのは適切な筋力トレーニングでもなく、類まれな治療技術でもなく、食事が食べられる環境を整備する事なんですよね
リハ栄養を学んだ事で、医療介護従事者として少し成長出来た気がしています
在宅医療について
医療法人社団悠翔会 理事長・診療部長 佐々木淳先生
全ての医療介護従事者に見てもらいたい動画です
そればっかりやないかというツッコミが聞こえて来そうですが、それくらい興味深く現場に活かせる講演をされる医師達だと思っています
佐々木先生の講演もいつも考えさせらえる内容なのですが、特に高齢者に関わる環境に身を置く立場としては食べるという事とACPについて学びが大きかったです
佐々木先生の講演の中でよく出て来るのが『何の為の医療なのか?』
今までの医療というのは『健康な人生をより長く』というのが基本的なスタンスですよね
食べ過ぎない、太り過ぎない、タバコとお酒はほどほどにする、血圧や血糖はしっかり下げる、薬はしっかり飲む
健康的な生活を長く送る為には大切な事だと思います
では年齢を重ね、病気を患った高齢者に対しても同じ様な対応が求められるのでしょうか?
佐々木先生は『健康的な人生をより長く』から『残りの人生をより楽しく』にシフトする事も必要なのではと言われており、私自身凄く納得の出来るお話でした
少し前の記事でも書かせて頂きましたが、1番重要視すべきなのは『残された時間を本人がどう使いたいか』なのではないでしょうか?
身体に悪いのはわかっているけど、残りの人生思う存分タバコが吸いたい
身体に悪いのはわかっているけど、日々の晩酌だけが数少ない楽しみなんだ
血糖値が上がるのはわかってるけど、大好きなチョコレートを食べたいんだ
医療従事者としてリスクを説明した上で、本人が望む生活は何なのか?
そこがACPなのではないでしょうか?
人間の死亡率は100%です
年齢を重ねる度に治らない病気も出て来るでしょう
逆らえない身体機能低下も出て来るでしょう
そうなったら人生は終わりではなく、そういった状況のままで残された人生をより良いものにして頂く為に何が出来るのかを考え続ける
そして実現出来る事はサポートする
それがリハビリテーションであり、生活期で働く理学療法士の仕事だと私自身は考えています
まとめ
今回は理学療法士として働いている私が自信を持って医療介護従事者にオススメする講師を『自立支援介護』『リハビリテーション栄養』『在宅医療』に分けて動画付きで紹介させて頂きました
素晴らしい講師との出会いは医療介護従事者の将来を変える可能性もあると思っています
今回紹介させて頂いた講師以外にも興味深い講演をされる方々は数多くいますので、また少しずつでも紹介していければと考えています
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