那須川天心が武尊に勝てた理由を心理学的に解説してみた~メイウェザーの言葉とコントラスト効果~

理学療法士
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6月19日に東京ドームで開催された日本最大規模の格闘技イベント『THE MATCH 2022』

全15試合が行われましたが、このイベントは『那須川天心vs武尊』の為にあったと言っても過言ではない

結果は5-0で那須川天心の判定勝利に終わったのですが、個人的にはこの世紀の一戦が行われる前にメイウェザーと戦った経験があった事と決戦直前にかけられたある言葉がこの勝利に少なからず影響を及ぼしているのではないかと考えています

今回は心理学的な側面から那須川天心vs武尊の一戦を解説するだけでなく、どの様に仕事に活かせるかについても掘り下げてみたいと思います

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那須川天心が勝利した理由~コントラスト効果~

今回、那須川天心が勝利した理由を心理学的に考えるのであれば、コントラスト効果が影響しているのではないかと考えています(あくまでも心理学的な側面からのみ考えた記事である事をご理解下さい)

例えば、非常に高価なA商品を見た後に、それより安価なB商品を見ると、普段なら手が出ないB商品が安く感じられる事があります

こういった心理を『コントラスト効果』と言い、相対的に物事を捉えがちな人間の認知特性が引き起こす効果です

もう1つ飲み会を例にコントラスト効果を考えてみましょう

飲みニケーションは本当に無駄で意味がないのかを心理学的に考えてみたブログは↓

あなたは飲み会の幹事を引き受けました

お店は決まったのですが、どのコースにしようか迷っています

2つのコースのうち、どちらを選択したくなるでしょうか?

  • Aコース とにかく安くエコプラン2500円
  • Bコース 大満足お得プラン3500円

どちらのコースにしようか決めかねてしまうのではないでしょうか?

では次の3つのコースから選ぶ場合はどうでしょうか?

  • Aコース とにかく安くエコプラン2500円
  • Bコース 大満足お得プラン3500円
  • Cコース ちょっとリッチにプレミアムプラン7500円

今度はBコースを選びたくなった人が多いのではないでしょうか?

価格の高いCコースを増やした事でBコースが安く感じられ、選ぶ人が格段に増えます

昔から使われている松竹梅の法則で、こうする事で真ん中のプランがお得に見えてしまうんですよね

これもコントラスト効果の1つです

メイウェザーの言葉

那須川天心は世紀の一戦の前にメイウェザーと対談しているのですが、対談の中で

『相手は俺ではないから、そんなに不安になる事はないぞ』

という言葉をかけられています(メイウェザーは史上初めて無敗(50戦50勝)のまま5階級を制覇した伝説のボクサー)

実は那須川天心は2018年の12月31日にエキシビジョンマッチ(公式記録に残されない試合)でメイウェザーと拳を交えており、KO負けしているんです

動画の中でも『メイウェザー選手よりも怖い経験をした事がないので、そこは自信をもっていきたいなと思います』と口にしていますが、那須川天心にとって、メイウェザー以上の存在はいないという事です

武尊もK-1で3階級を制覇しているだけでなく、10年間も負けていない非常に強い選手である事に間違いありませんが、武尊にとってはメイウェザーの様な存在はいなかったのではないでしょうか?

当然ながら、今回が初対戦であった為、始まってみないとわからない部分はあったとはいえ『メイウェザーに比べたら』という心理が那須川天心の中には少なからずあり、武尊にはない可能性が高い

その心理の有無が精神的な余裕に繋がった可能性もあるのではないでしょうか?

要するに、メイウェザーという世界最高峰を経験していたからこそ、武尊がいい意味で小さく見えるというコントラスト効果が働いていたのではないかと私は考えています

コントラスト効果を仕事に活かす

せっかくですので、コントラスト効果をどの様に臨床に活かしているのかを少しだけ紹介しておきましょう

例えば、運動に消極的な患者さんがいたとします

理学療法士としては歩行運動だけでもして欲しい

その場合は最初から『歩く練習をしましょう』ではなく、あえて『今日は階段を昇ってみましょう』と声掛けをします

『無理』という返答が返って来るのはハナから想定済み

『無理』と言って来た時に『仕方がないですねぇ、じゃあ歩くのだけでも頑張りましょうか』と伝えると渋々ながらでもOKをもらいやすくなります

階段を昇るくらいなら歩く方がマシというコントラスト効果が働いている可能性もありますが、1度療法士が要望を受け入れている(好意を受けている)為に、次の依頼を断りにくいという心理が働きます

人には好意を受けたら、好意を返したくなる『返報性の法則』という心理がある為です

返報性の法則について紹介しているブログは↓

同じ様に、自宅復帰する患者さんのご家族に動作指導する際にも活用出来ます

例えば、自宅復帰後は屋内杖歩行を考えていたとします

ご家族の前で杖歩行を実施すると『先生とだからあれくらい歩けるんだ』と捉えてしまう場合もあります

結果的に自宅に帰ると『転倒したら危ないから寝といてね』と家族に言われ、臥床生活が続いた結果、再入院という展開も珍しくはありません

そういった展開を防ぐ為に、ご家族にはあえて『独歩』を見て頂いた上で『この程度歩ける状態ではありますが、自宅では危険な部分もあるので杖歩行でお願いしたいです』と伝える事で

『独歩であれくらい歩けるなら杖歩行は大丈夫かな』

と感じてもらう事が出来れば、自宅でも実践しやすくなるかもしれませんね

療法士の提案をご家族にスムーズに受け入れて頂く為には信頼関係の構築が欠かせません

その為には定期的にご家族と接触しておく事(単純接触効果)も大切ではないでしょうか?

まとめ

今回は那須川天心が武尊に勝てた理由を心理学的な側面から解説してみました

心理学を学んでいると今回の事に限らず、様々なニュースや著名人や漫画の登場人物の言動を心理学的な側面から切り取る事が出来て興味深いですよ

この記事を通じて、少しでも心理学の面白さが伝わる機会になれば嬉しいですね

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