ネガティブからポジティブへ~リフレーミングを活用して前向き思考へ~

コミュニケーション
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理学療法士として医療介護現場で働き続けて18年

数多くの患者さんや利用者さん、ご家族のお話に耳を傾けて来ました

病院自体が何らかの疾患を抱えている人が多い場所の為、どうしてもネガティブな思考に偏りがちな人が多い様に感じます

一方で、例え健康的な生活を過ごせていたとしても、生きていく上でネガティブな経験をせずに一生を終える事が出来る人なんて皆無でしょう

そういったネガティブな経験をした際に、ただただ落ち込むのか、違う捉え方をして前向きに考えるのかで未来は変わって来るのではないでしょうか?

全ての物事は捉え方次第で受け取り方が大きく変わって来るという考え方(見かた)を『リフレーミング』と言います

今回は私自身の経験も含め、具体例を紹介しながらリフレーミングについて考えてみたいと思います

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リフレーミングとは?

改めてリフレーミングですが、日本NLP協会によると

『出来事の枠組み(フレーム)を変えることで、出来事に別の視点を持たせるもの』

とされています

例えば、コップの中に半分ほど水が入っているとします

こういった場合『半分しか入っていない』という捉え方も出来れば『半分も入っている』という捉え方も出来る訳です

『半分しか入っていない』と捉えると『もっと欲しい』といった不足や不満を感じる可能性があります

反対に『半分も入っている』と捉えると『十分だ』といった喜びや満足を感じる事も出来ます

この様に、出来事は同じであっても捉え方を変えるだけで、物事の感じ方を大きく変える事が出来るんですよね

私自身、過去に『これぞリフレーミングだ』と感じた言葉があります

ソフトバンクグループの代表取締役である孫正義さんの

『髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのである』

という言葉です

ご自身の見た目を上手く活用された素晴らしい言葉(捉え方)だなと感じたのを鮮明に記憶しています

臨床実習不合格経験をどう捉えるのか?

私自身の経験の中では『臨床実習不合格』というネガティブな経験を上手くリフレーミング出来た事は非常に大きかったと考えています

臨床実習に落ちた理学療法士が伝えたい事は↓

リフレーミング出来る前の私にとって、臨床実習不合格という経験は『恥』でしかありませんでした

もちろん自ら誰かに打ち明けようなんて事を考えた事はありませんでしたし『私は臨床実習に落ちている』という劣等感を持ち続けていました

そんな時に『ネガティブ経験は武器になる』という捉え方を教えてもらったんです

当時はそういった捉え方がリフレーミングだという事には気付いていませんでしたが

『臨床実習に不合格になっている人の方が圧倒的に少ない=希少価値がある』

この捉え方がストンと腑に落ちた私は臨床実習やコミュニケーションに関する情報発信を開始し、今に至ります

今は自信を持って『不合格経験があったからこそ今の自分がいる』と言い切る事が出来ます

勘違いして頂きたくなので補足させて頂きますが『だから実習生にも多少しんどい思いをさせて良い』という事では決してありません

私自身の経験を通じて伝えたい事は『物事は全て捉え方次第』だという事

別の表現をするのであれば『強みと弱みは表裏一体』だという事ですね

『ネガティブ経験は武器になる』という捉え方(リフレーミング)に辿り着かなければ、私は今も臨床実習不合格経験を『恥』(弱み)だと捉え続けていたのだと思います

リフレーミングをコミュニケーションに活かす

では少し視点を変えて、コミュニケーションにリフレーミングを活用してみましょう

例えば同僚が失敗して落ち込んでいるとしましょう

『気にしないで』

『次頑張ろう』

といった声掛けではなく

『失敗したという事は何か行動を起こした結果だね』

『失敗したからこそ学べた事もあるんじゃない?』

といった声掛けも出来るでしょう

同期に対して劣等感を感じている同僚がいたとしましょう

『大丈夫、大丈夫』

『気にすんなって』

といった声掛けではなく

『成長したいという意欲があるという証拠だね』

『劣等感があるからこそ人は成長出来るのかもね』

といった声掛けも出来るのではないでしょうか?

では次の5つの弱みを強みに変換(リフレーミング)してみましょう

  • 飽きっぽい
  • おこりっぽい
  • 頑固
  • 空気が読めない
  • 口下手

飽きっぽい→好奇心旺盛

おこりっぽい→情熱的

頑固→意志が強い

空気が読めない→マイペース

口下手→控えめ

こういった様に変換する事も出来るのではないでしょうか?

先日、コミュニケーションに関するオンラインセミナーに参加したのですが、その中で『私はケアマネージャーに向いていない』という思考の人に対してどの様に声を掛けますかといった質問がありました

こういった場合も

『そう思うという事はそれだけ利用者さんやご家族に真剣に向き合えているという事ですよね』

といった声掛けが出来るのではないでしょうか?

具体例が数多く示されているリフレーミング辞典という資料があったので、良ければ参考にしてみて下さい

http://www2.gsn.ed.jp/houkoku/2011c/11c31/siryo/reframing.pdf

リフレーミングの注意点とポイント

リフレーミングはポジティブな視点に気付かせてくれる手法ではありますが、何でもかんでもポジティブに捉えればいいといったものでもありません

皆さんも多かれ少なかれ経験があるとは思いますが『何を言うかではなく誰が言うか』が大切な時もあります

要するに信頼関係の有無によって、相手の言葉の受け取り方が変わって来る可能性があるという事ですね

安易に言葉を発すると『あんたに何がわかるんだ』といった展開になる可能性もあるので、状況に応じて表現方法を使い分ける必要はありそうです

もう1つ心理学的な側面からお伝え出来る事があるとすれば、コミュニケーションテクニックの1つである『オウム返し』をした上でリフレーミングしてみて欲しいですね

オウム返しというのは相手の言葉を繰り返す事を言うのですが、例えば『最近、些細な事で悩む事が多くって。。。』という相談を受けたとしましょう

そういった場合、私であれば

『些細な事で悩む事が多いんですね(←オウム返し)、それは細かい部分によく気が付く山口さんだからじゃないですか(リフレーミング)』

といった感じで返すと思います

オウム返しをする事で相手は『この人は聴いてくれている』『わかってくれている』と感じやすいと言われています

リフレーミングする場合に限らず、是非日常から活用してみて下さいね

まとめ

今回はリフレーミングについて自分自身の経験談も踏まえながら紹介させて頂きました

私自身がそうだったのですが、自分にとってのイヤな過去(ネガティブ経験であり弱み)を強みに変換出来た時は人として1歩も2歩も前に進めた気がしました

イヤな過去を自分の胸の奥深くにしまい込むのではなく、リフレーミング出来ないか今一度考えてみてはいかがでしょうか?

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