モチベーションを維持する方法~少しでも前に進んでいる実感を大切に~

理学療法士
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理学療法士として働いて約17年

理学療法士という職業は少々大袈裟に感じられるかもしれませんが、患者さんや利用者さん、ご家族の将来を左右する仕事です

決して簡単な仕事ではありませんが、やりがいのある仕事でもあります

元々仕事には熱が入るタイプだとは思っていますが、最近『そんな仕事関係の事ばかり考え続けてしんどくないですか?』『動き続けられる源泉はなんですか?』という質問をされる事が増えました

仕事に対するモチベーションは人それぞれだと思いますが、今回は科学的に仕事のモチベーションが最も高まるポイントについて考えてみたいと思います

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仕事のモチベーションを高める最大の要素とは?

モチベーションに関する研究は数多く存在する様ですが、その中で1番有名なのがハーバード大学が行った『仕事のモチベーションを高める最大の要素とは何か?』という調査です

研究チームは7つの会社から238人のビジネスマンを集め、全員のパフォーマンスの変動を12000時間にわたって記録し続けました

その結論を一言でまとめると

『人間のモチベーションが最も高まるのは、少しでも仕事が前に進んでいる時』だそうです

要するに『小さな達成感』がモチベーションを大きく左右する訳ですね

理学療法士は患者さんの身体機能が改善して来ている時は自然とモチベーションが上がって来るのではないでしょうか?

同じ様に患者さん自身も機能改善を実感出来ていれば、自ずと『もっと頑張ろう』と思えるのかもしれませんね

コロンビア大学のスタンプカードを利用した実験

興味深い事に小さな達成感は錯覚でも良い事が実験によって確認されています

コロンビア大学がカフェのスタンプカードを利用した実験を行っています

①『コーヒーを10杯買えば無料で1杯をサービス』と書かれたスタンプカードを渡す

『コーヒーを12杯買えば無料で1杯をサービス』と書かれたスタンプカードを渡す

ただし、そのカードには既に2つのスタンプが押してある

要するに、どちらのパターンでもコーヒーを10杯買わないと無料のサービスを受けられない点は同じであり、普通に考えれば全ての被験者が同じ様にカフェに通うはずが、

結果的には『コーヒーを12杯で1杯サービス』のスタンプカードを渡されたグループの方が、スタンプの貯まるスピードが速かったそうです

研究チームは、この現象を『前進の錯覚』と呼び『既に2つのスタンプが押してあった』おかげで達成感の錯覚が生まれ、その結果、モチベーションが高まったのではないかとしています

私自身の体感としても『今日は記事を書く気が起きないなぁ』と思っていても、とりあえず書き始めるとスイッチが入って一気に書き上げてしまったという経験はよくあります

いわゆる心理学者クレペリンが提唱した『作業興奮の原理』(やる気がない状態でも、いったん行動を始めるとやる気が出て簡単に継続出来る様になる心理現象)も小さな達成感が積み重なった結果なのかもしれませんね

ちなみにハーバード大学の研究によると、95%のマネージャーが『従業員のやる気を高めるには給与を与えて褒めるのがベストだ』と答えているそうです

特別ボーナスや罰の様な外発的動機づけは瞬発力はありますが持続力はありません

持続力がある内発的動機づけを引き出すには褒める(承認する)だけでなく、小さな達成感(成長している実感)を感じられる環境設定が大切になって来るのではないでしょうか?

医療介護業界において患者さんご自身のモチベーションが重要である事は間違いありませんが、同じ様に医療介護従事者のモチベーションも大切になって来ます

両者のモチベーションがより高まった時にこそ最高の結果に繋がるのではないでしょうか?

『あの患者さんは意欲がないから』とサジを投げるのではなく、どうすれば患者さんの意欲が高まるのかを考えるのも医療介護従事者の仕事なのでしょうね

そのポイントの1つが『小さな達成感』なのかもしれません

後輩の存在

裏付けはありませんが、私自身が動き続けられる理由がもう1つあります

『後輩の存在』

特に私にとって学生時代から今も付き合いがある後輩達の存在は大きいですね

リアルで実習生と指導者として関わり、今も付き合いが切れない後輩もいれば、まだオンライン上での関係ではありますが、私と同じ様に養成校時代(臨床実習含む)に悩み、苦しみ、療法士を諦めようとした後輩もいます

そういった後輩達が療法士として頑張っている姿を見ると、率直に『負けてられんよな』と思うんですよね

そして、恥ずかしながらこうも思います。。。

『カッコいい先輩でいたい』

別の言い方をするならば、後輩達を少しは導ける先輩でありたいんですよね

私自身は本当に平凡な理学療法士です

秀でた能力もない、ただただ少しだけ熱っぽい変わった理学療法士でしかありません

でも今まで積み重ねて来た経験値と人脈で後輩達の背中くらいは押してあげる事は出来るかもしれない

何かのご縁で巡り合った後輩達、今も慕ってくれる後輩達の為に『出来るだけの事をしてやりたい』

本当にただそれだけですね

私に出来る小さなお世話が後輩達を笑顔にしたり、一歩を踏み出すキッカケに繋がっているのであれば、その事自体が私にとっての『小さな達成感』であり、結果としてモチベーションに結びついているのかもしれません

まとめ

今回はモチベーションを維持する方法についてまとめてみました

理学療法士として働く上では、実現性のある長期目標を考える事も大切ですが、モチベーションの観点から考えると短期目標をどう考えるか、そして出来た事に対してしっかりと認める(承認する)事が出来るかの方が大切になって来るのかもしれないと感じました

そして理学療法士として学び続ける意欲(笑モチベーション)をいかに保ち続けるかという視点も大切にしていきたいですね

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