理学療法士として働いて約18年
今も昔も必ず療法士達の中で話題になる事があります
その話題とは『給料』について
『頑張って勉強しても給料に反映されない』
『将来性がない』
という声は正直耳にタコが出来るくらい聞いて来ましたし、結婚相手から
『それだけ勉強して収入が増えないなら、そのお金を家族の為に使ってよ』
と言われ、学びたくても思う様に学べない療法士もいるのではないでしょうか?
今回は理学療法士の15年間の年収の推移と勉強会問題について考えてみたいと思います
理学療法士と作業療法士の15年間の年収の推移
ちなみに少し前のデータにはなりますが、理学療法士と作業療法士の15年間の年収の推移をグラフにされている記事がありました
グラフを見て頂ければわかる様に、理学療法士、作業療法士共に15年間で年収は大きく変わっていないというよりはむしろ若干下がっているという結果になっています
更に若手の年収は下がり続けているという現状も見てとれますが、このデータは令和になった今も大きく変わっていないでしょう
こういった現状に2021年12月21日、リハビリテーション専門職団体協議会(日本理学療法士協会・日本作業療法士協会・日本言語聴覚士協会)は処遇改善を求める要望書を提出した様です
近年では療法士が起業されている会社で資格所有者(認定理学療法士や専門理学療法士、3学会合同呼吸療法認定士等)に対して手当を出している所もある様ですが、正直そういった職場が圧倒的少数派なのは間違いないと思います
最大の理由は資格を所有していても、持っていなくても頂ける診療報酬は同じだからです
というよりも資格の有無どころか1年目の理学療法士と18年目の理学療法士が1人の患者さんに20分理学療法を実施した場合も頂ける診療報酬は全く同じです
療法士は勉強し続けるべきなのか?
こういった現状に
『勉強するだけお金と時間の無駄』
と考えてしまう療法士がいるのはある意味致し方ないと私自身は考えています
『そんな療法士は辞めた方がいい』
『そんな療法士に担当してもらいたくない』
そう感じた人(特に療法士)もいるかもしれませんが、以前に理学療法士を旦那に持つ奥さんにこんなコメントを頂いた事がありました
非常にリアルなコメントでしたので、記憶に残っています
『療法士は患者さんの将来に関わる責任ある仕事だから勉強し続けるべきだ』
『もっと奥さんに療法士の仕事を理解してもらうべきだ』
といった感じで捉えられている人がどの程度いるのでしょうか?
私も1人の理学療法士として『勉強はした方がいい』と思っていますし、今も自分の出来る範囲で学んでいますし、学べる場を作り続けています
多職種連携を目的に運営している関西セラピスト交流会に関しては↓
ただ『勉強し続けるべきだ』という視点はあくまでも療法士視点であり、一般の人の視点に立てば、紹介させて頂いた奥さんの様な視点はごく当たり前なのではないでしょうか?
勉強会に投資したお金を回収出来ていますか?
真面目に勉強し続けている療法士に問いたい
『勉強会に投資したお金をどの程度回収出来ましたか?』
正直大半の療法士が『投資』ではなく『浪費』になっているのではないでしょうか?
もちろん自己投資する事で、自分自身を高め、患者さんやご家族の笑顔をたくさん引き出している療法士がいる事は理解しています
療法士にとって患者さんやご家族から頂く『ありがとう』という言葉は『療法士になって良かった』と感じる瞬間でもありますよね
自己投資した事で、療法士として最高の『結果』を残す事が出来た
『投資』した結果『最高の仕事』は出来たかもしれません
ですが投資した分の『回収』は出来ていないですよね?
患者さんやご家族の笑顔を引き出せているという観点から『浪費』という表現は適切ではないかもしれませんが、療法士はもう少し『回収』出来ているのかという視点を持った方が良いのではないでしょうか?
まとめ
改めて書かせて頂きますが、真面目に勉強し続ける事は素晴らしい事ですし、私自身も勉強し続けたいと思っています
一方で『療法士は○○するべき』といったべき論を後輩に押しつけるのは違うのではないでしょうか?
療法士として勉強するメリット・デメリットを自分自身で考えた結果『勉強しない』という選択肢があっても致し方ないと私は考えます
ただ1人の理学療法士としては後輩達に『勉強なんてしても無駄』という事を伝えるのではなく、勉強する事の面白さや学び始めるキッカケを作り出せる先輩でありたいと考えています
私なりに『投資』した分を少しでも『回収』出来る方法を考えてみました↓
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